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ぱちん、とバトラが指を鳴らす。ざくり、と戦人の腹に杭が刺さった。
「っぐ……は」
薄い色のスーツが朱く染まってゆく。床にくずおれる戦人に駆け寄ろうとしたベアトは、強く腕を掴まれて、ぐい、と引き寄せられた。男の強い力で引っ張られて、足がもつれてよろめく。腕を掴んだバトラが、嫌な笑い方をして見下ろしていた。ざくり、とまた一本、戦人に杭が刺さった。ベアトがひっと息を飲んだ。血が、床にまで滴っている。
「やめっ……やめんか、バトラ!」
にぃっとバトラが笑った。
「やめてください、だろ?」
バトラの手がベアトの頬を撫で、ゆるく顎を掴んで持ち上げた。無理矢理上を向かされたベアトが睨む。バトラは楽しそうに笑っていた。
「ほら、言えよ。やめてください、バトラ様って、さ」
悔しい。ベアトは歯噛みした。バトラに譲り渡した魔力は強大だ。指を軽く動かすだけで戦人を殺すこともベアトを殺すこともできる。対して、ベアトに残された魔力は僅かだ。力では適わない。ベアトは怒りと悔しさで唇を震わせた。
「……頼む。やめてくれ、バトラ」
くくっとバトラが笑い、ぱちん、と指が鳴らされた。
「ぅ……っぐ!」
「戦人!」
ぼたぼたと床に血が滴って広がってゆく。ベアトは青ざめた顔で戦人とバトラを交互に見た。今にも泣き出しそうな顔だ。懇願に近い声音でベアトはバトラに縋った。
「……バトラ! お願いだからっ、頼むから! 何でも言うこときくから!」
「へぇ、何でも、か。いいな、それ」
にこり、とバトラは笑った。
「赤で言えよ」
「……え」
「言えよ。赤で。『私、ベアトはバトラ・ベアトリーチェの言うことを何でもききます』」
ベアトの表情が固まる。青ざめて震えるベアトを、バトラは楽しそうに眺めた。
……さあ、堕ちてこい。千年を生きた美しい魔女。この手の中へ。
「ぁ……わ、私、ベアトは……」
ぐん、とベアトは強く身体を後ろに引かれた。口元を濡れた手で覆われる。噎せ返るような濃い血の匂いがした。血に濡れた、戦人の手だった。
「……お前は黙ってろ、ベアト」
低い、怒りに満ちた声を聞きながら抱き込まれて、ベアトは泣き出しそうになった。
バトラ・ベアトリーチェに本気で萌えてきました。
バトラ+戦人×ベアトの話が書きたいなぁ。
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