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戦人が大きくも小さくもない紙包みをベアトリーチェに手渡した。
薄茶の紙でくるまれた包みだった。
「お前に届け物だって、ロノウェから」
「やっと届いたのか!」
受け取ったベアトリーチェが、嬉しそうな声を上げる。
さっそく包み紙を剥がして、中身を取り出した。
青い目がきらきらと輝いている。
戦人も一緒になって包みの中を覗き込んだ。
革張りの、重厚な装丁の本だった。
表紙の背と角は金属で固められ、ご丁寧に鍵まで付いた、立派な本だった。
本を手にしたベアトリーチェが、
くぅー、というような感極まった声を漏らした。
よほど待ちわびた本らしい。
本を胸に抱くベアトリーチェに、戦人が苦笑した。
「小説か何かか?」
ベアトリーチェの目が光った。
そんなお易い物ではない、と言いたげな目だった。
「狂える詩人が書いた魔導書であるぞ。複写本だが、やっと手に入れたのだ」
最近やっとイタリア語版が出版されたのだ、と魔女が嬉しそうに本に頬摺りした。
(オチが思い付きません)
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